「徹子の部屋」のお客様、今回は
スピリチュアルカウンセラーの
江原啓之（えはらひろゆき）さん
44歳。
15歳で両親が
いなくなる
江原さんは4歳のときに父親を亡くし、
15歳のときに末期ガンで母親を亡くし
ました。
父親は享年37歳、母親は享年42歳
という若さです。
江原さんは現在、中学三年生になった
長男と、小学六年生になった次男の
二人のお子さんがいらっしゃいます
が、ちょうど今の長男の年齢（15歳）
で、すでにご両親がいなかったという
ことになりますね。
苦労の多かったご両親の人生だった
ということですが、そう話す江原さん
の人生もまた同じく苦労の多い人生
だったかと想像します。
人生っていったい
何なのだろう
15歳でご両親を亡くした江原さん
には７歳年上のお姉さんがいます。
けれども歳が離れていたし、結婚も
されていたということで、江原さん
は16、7歳のときからずっと一人
暮らしをしていたといいます。
自分でお弁当を作り高校へ行く
生活をしていたので家庭のぬくもり
というものは知らないと。
自分で作って食べるお弁当は一番
切ない、中身がわかっているから。
早くに両親を亡くし苦労したので、
人生って一体何なんだろうか。
なんで幸せな人とそうでない人が
いるんだろうかと。
そういうことを15歳のときから
自分のなかでずっと哲学していく
ような毎日を送っていたといい
ます。
そして、それを乗り越えるという
ことに自分自身のスピリチュアルに
生きたということもあり、だから
こそそれを少しでも伝えられたら
いいなと思っていたと。
お姉さんはいたものの、みんなの
生活を弟としても邪魔したくない
という思いがあったようです。
なのでアルバイトもけっこう
やったというのですが、ふつう
高校だとアルバイト禁止だったり
したのを、担任の先生がいい
方で「お前はいいよ」と許して
くれたのだといいます。
夏休みはビールケースを運んだり
する酒屋さんのアルバイトをしたり、
レストランで皿洗いをしたり調理
助手をやったりして、そうすると
食べることにも困らなかったと。
お金がかかるから
音楽をあきらめていた
大学は和光大学に入学して美術、
彫刻をやっていたといいます。
けれども生活がままならなくなり
中退、働き出してから国学院大学
に入ったのだそうです。
そこで神主さんの資格をとり、
神社で奉職していたので結婚式
とかなんやら仕事があったと。
18のときから声楽を習っていて
音楽を勉強するのはお金がかかる
ので断念。
けれども、
自分ができなかったことだと思って
子供に強要するのはいやだけど、
最低限のことはしてあげたいと
音楽教室に3歳のときに連れてっ
たといいます。
続ける続けないは本人次第だけど、
とりあえずの場所だけは作って
あげたいと最初からマンツーマンに
したら子供はイヤだとなった。
よくよく考えれば強要するのは
よくない、音楽は楽しむものだから
楽しまなければいけないと自分も
入学。
しかし通っているうちに自分の歌
のほうの気持ちがよみがえり、
いつの間にか子供より自分に
なってしまったのだそう。
でもそれでは物足りなくなり、
また人様とのご縁もあって、武蔵野
音大の先生に見て頂けることに
なったといいます。
それは徹子の部屋にも出演したことの
ある「さとうみえこ」先生。
その先生に30歳を過ぎてから見て
もらいだしたのだといいます。
それまでもリサイタルなどはやって
いたそうですが、オペラデビューは
２年前。
関西二期会の会員でバリトンです。
苦しい中で生活していたときも
やっぱり音楽は心のご飯、それで
支えられているので大好きだと。
自分てなんと
無力なのだろう
なんと江原さんは、ホスピスを
運営しようとしているようです。
現在着工して、建設しようという
ところで、すべて自分自身で自費で
まかなおうと思っているそうです。
それはすべて自分の生き様も影響して
いて、やっぱり誰もがみんな平等に
最期を看取ることができたらと
思っていたと。
なので、生活保護を受けていて、
余命が限られていて、身寄りがない
方のみに限らせて頂いて、という
ことでした。
そこは24室あるということです。
場所は今では言わないそうですが、
東京の山谷地区と言われているところ
で、住民の人たちの賛同も得なければ
いけないということで、少しずつ了解
を得ながらやらせて頂ければと思って
いると話してくれました。
いろいろなところで講演とかしている
と、障害を抱えているお子さんを
持っていたりして、みんな逝くにいけ
ないと言うのだそう。
そんなとき、
自分てなんと無力なんだろうと思って
いたといい、それゆえ、
「どうぞうちに来てください」という
場所を作ればいいんだってことを、
ずっとこの10年それを目標にして
きたといいます。
自分が孤独で良かった
奥様は江原さんのすることを全く
反対しない人らしく、
「いいことだからやりましょう」と、
いいことなら全部やっていい、と
おっしゃる方なのだそうです。
これだけのお金がかかるよ、
自分たちの蓄えを全部出すんだよ、
と言っても、
「あなたが働いたものなんだからあ
なたの自由に」
ということで、本当にそれは助かって
いると江原さん。
孤独を知って人の孤独、痛みが
わかる、自分が孤独でよかった、
幸いだったなといいます。
本当に消えていいんだな？
江原さんは子供と自分のことを、
親子トド、マトリョーシカのような
親子と笑います。
同じようなのが3人転がっていると。
そうかと思えば自分は口やかましい
父親で、思春期の長男などは母親を
バカにしたり、ウザいとかすぐ口に
するらしく、そうすると追いかけ
回し、
「うざいとか失せろとかいったらば、
本当に消えていいんだな！」
とずっと言い続けるそうです。
お父さんお母さんだってというと、
徹底して話し合う、そして本人が
ずっとこっちが許さないから
最後には泣き出すのだとか。
自分がしたことは全部自分に返るんだ
とずっと言い続けると、世の中で一番
敵に回しちゃいけない人を敵に回した
と最後には言われるそうです。
お父さんの人生はこうだったからと
いう話をして、いつなんどきどうなる
のかわからないんだからと話して
聞かせるとも。
新婚旅行のかわりに
お墓を建てた
江原さんはしみじみ言います。
「人生って不思議ですよね。
闇の部分があるから学べることが
あるし、何もなくていると逆にそれが
学べない。日本はお金がないと不幸
という気分になるけど、国破れて山河
ありじゃないですが、お父さんも早く
お家に帰ってみんなでご飯食べること
ができたり、逆に幸せが見えることも
たくさんあると思う」と。
また、
「不幸の数を人間数えるでしょ、
不平不満はいくらでもでるけど
幸せなことというとみんな出ない。
本当は幸せなことだらけなのに」
とも。
「子供がいうんですよ。どうして
僕はこの家に生まれてきたんだろう
って。どうしてだと思うって聞くと、
よっぽど何か悪いことしたのかなっ
ていうんですよ、ひどいでしょ。
いやなんでしょうね、しつこくて」
そう言いながらも江原さんはとても
嬉しそうに微笑んでいました。
そして驚いたことに、
新婚旅行の代わりにお墓を買った
というのです。
お姉さんは縁起でもないと反対
したそうですが、江原さんは、
小さくして親が亡くなり、経済的
余力もなかったのでお墓がうちには
なかったから、おじの本家のほうに
親の骨を預かってもらっていて、
でも結婚するって一人前になるんだ
から墓を建てたいといったら家内も
それがいいって言って、旅行はいつ
でもいけるし墓をと。
江原さんと似たような境遇の子供
たちへの言葉を求められると、
「人とたくさん触れ合うことで、
悪い言葉かもしれないが
親はなくとも子は育つともいい
ますし、私もたくさんの人に
お世話になって、たとえば同級生
のおたくとかでいつも家族のように
おいでおいでと言ってもらえたり、
だから何も心配することはないと。
逆に、帰って私は今の年になって
くると友達とかは親の介護のことで
みんな苦しんでいたりする。そう
思ったら同じだな平等だなと思う。
でも自分は親がいない分ホスピス
とかでお世話させてもらえたらと、
親だと思ってね」
そう穏やかな口調で微笑んで
いたのが大変印象的でした。
「世を儚んだり恨んだり、
涙することはたくさんあり
ました」
エンディングテーマが流れる
なかでそう呟いていた江原さん
本当にいいお顔をされてました。
また「オーラの泉」を再開して
欲しいなと思ったものです。
ではまた。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。
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