51歳という若さでジャーナリストの
竹田圭吾さんがこの世を去りました。
すい臓がんでした。
人の一生を語るうえで長寿であること
が最上の幸福のように誤解されがち
ですが、命の輝きは長短で測られる
ものではないことを、竹田圭吾さん
の生き様を見て改めて感じます。
「愛しているよ」
昨年、2015年11月10日放送の
「とくダネ！」で、竹田さんは奥様
へ公開告白しました。
きっかけは番組のなかで、
「愛している」と最後に口にしてから
どのくらい経っているかという
アンケートを30〜60代の既婚男女
100人に実施したものの、記憶にない
と回答した人が63人、数年前と回答
した人が8人と、さんざんな結果が
出たことに際し竹田さんが、
「愛してるって、なかなか言えない
ですよね。頭のなかでは1日2回
ぐらい言ってますけど‥‥じゃあ、
いま、言ってもいいですか」
と言い、他の出演者が湧き立つなか
おもむろにメガネをはずし、
真っ直ぐにカメラを見据えると、
「愛しているよ」
そう呟いたのです。
このとき竹田圭吾さんの胸に去来
するものが何だったのかを想像する
と目頭が熱くなります。
普段「愛している」を口にしない
人間がテレビの生放送中に公開告白
をする。
がん闘病を支える妻に、どうしても
伝えたかったその想い。たとえ
テレビを通してでもどれほどの
想いで妻はその言葉を聞いたこと
でしょう。
涙が出ます。
このエピソードを1/11の今日口に
した小倉キャスターは、
「そのときは僕らは竹田圭吾さん
の横にいて笑ってましたけど
本当は辛かったですよね。
もう竹田さんの覚悟は決まってる
んだなと誰もが思ったんですよね。
本当に長い闘病生活でもうきつい
んじゃないかな。みんな、
でもねぇ‥‥竹田さんに病気の
ことをなかなか聞けないんです
よ。で、最初にがんのことを
お話しになったときに”竹田さん
どこのガンだったんですか”って
聞いたら”このへんでした”って
そう言っただけなので、あんまり
お話ししたくないんだろうなと
思って、それ以来病気のことは
聞きませんでした。ただ、歩くの
も辛いほど弱っていくのを見てて
体だけは気をつけてくださいね、
というのが精一杯で‥‥それ以上
の言葉は竹田さんに対して失礼なの
かなと思ったんですね。
番組スタッフも竹田さんに無理は
させてはいけないので車椅子を用意
したりいろんなことを考え、そして
本当に無理だったらお休みになって
もいいですよって言っても、
竹田さんご本人が、
”どうしても番組に出たいんです。
それが自分の生き様です”
っておっしゃって、かえって元気に
なりますからっておっしゃっていた
ものですから、まあ、みんなで共に
闘おうって雰囲気になりましたもん
ねぇ。
ただ〜早すぎますよね、笠井くん、
12年間付き合ってきたじゃないで
すか」
とコメントし、笠井さんが
「私より一つ年齢が若い51歳で、
最後の12月22日の放送のときって
楽屋にかえったら、荷物がカバンに
つめられないんですって。それで
スタッフに荷物を詰めてもらえます
か、コートを取ってもらえますかと
いって、スタッフが手伝ってあげて
‥‥でも、出るのが生きがいだった
と、出ると元気になるんだと言って
いて、川島なお美さんのように最後
の最後までメディアという舞台で
人生をまっとうしたいんだなって
ことは、隣に座ってらして回を増す
ごとにひしひしと感じていました」
と振り返りました。
人と同じことは言わないというのが
竹田圭吾さんの姿勢だったと小倉
さんは言い、バランス感覚のいい人
だったと述懐。
「我々は竹田さんが最後まで頑張って
くれたあの意思を受け継いで、
いろんなものに立ち向かっていか
なきゃいけないのかなと思います。
最後、辛かったんですよ。中江さんが
ずっとお隣に座ってて、Mr.サンデー
でもお隣だったでしょ。そのときに
辛そうにしてねぇ、もう座っている
のが辛くて痛かったんでしょうねぇ」
と小倉さんがさらに語り出すと
隣の菊川怜さんが、中江さんから
聞いたんですけどと前置きし、
「最後にとくダネ！に出られた日、
帰り中江さんと楽屋までかえるとき
に、竹田さんが中江さんのお隣で
途中でずっと手を‥‥
（涙で言葉にならない菊川さん）
こうして握りしめて辛そうにされて
たっていうんで‥‥でも最後まで
あの‥‥ちゃんとされてて（泣）」
こみ上げる嗚咽をこらえながらの
菊川さんの言葉、そして中江さん
から伝え聞く内容には強く胸を
打たれもらい泣きしてしまい
ました。
そのあと小倉さんは口を開き、
「あの、そんなあの、最後まで僕ら
竹田さんと一緒にいられましたから
我々はそのぉ、竹田さんのジャー
ナリスト魂を最後まで見てこれた
からある意味幸せでした、竹田さん
も最後までね、頑張ったんで、
短い人生ではありましたけれども、
自分の気持ちと共に旅立っていった
んではないかと想います。改めて
竹田さんのご冥福をお祈りします。
ありがとうございました」
と言い、出演者全員が声をそろえ
ありがとうございましたと挨拶する
姿に、本当に亡くなってしまったの
だなという実感を強くしたものです。
人は魂そのものですから、肉体という
世をしのぶ仮の姿を手放しはしても、
言霊として生き続けることを信じ、
竹田圭吾さんを偲びたいと思います。
そしてご冥福を改めてお祈りします。
ありがとうございました。
合掌
最後までお読みいただき
いつもありがとうございます。
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